通訳・翻訳キャリアガイド


 通訳・翻訳
NHK情報ネットワーク バイリンガルセンター国際研修室



国際化する放送現場のプロを育成

世界各地の戦争や政治・経済の変動、地球規模で取り組む環境問題などなど、世界情勢のニュースが、私たちの日常に当たり前のように届けられる今、その放送制作分野における通訳者・翻訳者の存在は非常に大きい

。 NHK情報ネットワークバイリンガルセンターは、NHKのニュースや番組、それに国際放送などをサポートする部署で、80言語以上の通訳者・翻訳者を衛星放送のニュース番組などに派遣している。国際研修室は、その中の日本語←→英語に対応する放送通訳者・翻訳者の育成を担っており、ここを卒業すれば、バイリンガルセンターに登録され、NHKを舞台にプロとして活躍できるしくみだ。

「仮卒業」で学びながら現場を体験

しかし、プロの仕事は甘くない。放送を通じて海外の情報を日本に、日本の情報を海外に、正確にすばやく伝えるためには高度な英語力はもちろんのこと、日本語力や正確で幅広い背景知識が要求されるからだ。また、不特定多数の視聴者に向けた放送現場ならではのスキルや心構えなども体得する必要がある。

国際研修室はそうした“プロ中のプロ”を養成している。カリキュラムは通訳系と翻訳系に大別され、それぞれ基礎を叩き込む養成基礎コースと、実践的なスキルを学ぶプロコースが体系的に学べる構成になっている。また、入学時の試験や学期ごとの総合評価によって自分の実力に合ったクラスで学ぶことができ、受講生一人ひとりの着実なレベルアップを後押ししている。

さらに、プロコースの「放送通訳U」「同時通訳U」「日→英ニュースライターU」には、仮卒業(OJT)制度がある。これは授業と並行してあこがれの職場で実際に仕事が体験できるもので、スクールと現場が直結した当校の強みと言えるだろう。



実際のニュース作成でスキルを磨く

太田先生も当スクールの卒業生。現場に出れば頼れる先輩だ
「日→英ニュースライターT」では、NHKニュースの日本語原稿を、2カ国語放送や海外発信用の英語ニュースに書き換えるニュースライターの基本的な技術を学ぶことができる。

今回見学したのは学期のほぼ真ん中の6回目の授業。現職のニュースライター太田雅子先生を中心になごやかな雰囲気のなか、来週は中間試験ということもあって、心地よい緊張感も漂う。

授業は先週出されたホームワーク「スリランカでの爆弾テロ事件」、「沖縄でのタクシー強盗事件」を見直すことから始まった。両方とも実際に放送されたニュースだ。指名された受講生が自分の原稿を読み上げると、「リード(最初の文でニュースの主旨を伝える重要な箇所)が長い」「事件の背景は適切に補足されている」など受講生の意見が飛び交う。また講師からは、リードの注意点や、海外向けニュースならではの情報整理の仕方、背景知識の情報などが示され、受講生はそれを吸収すべく皆真剣なまなざしだ。

音読演習と問題点の共有

クラスワークは各自が課題原稿に30分かけて取り組む
授業で重きが置かれるのは、放送≠常に意識してライティングすること。公共の電波に乗り、海外のリスナーが耳で聞くニュースは、適切な言葉を使いコンパクトで分かりやすい英文でなくてはならない。そのため授業では、原稿の音読が行われる。音読する受講生は読みづらい箇所がないかを再確認し、ほかの受講生はリスナーとして、流れが分かりやすいかをチェックするためである。読みづらい文は聞きづらく、原則として聞き直しができない放送ニュースでは避けなければならない。

受講生どうしの問題点の共有にも焦点があてられる。悩んだ点や難しかったところなどを活発に出し合うことで疑問や不安が解消し、自分の弱点も客観視できる。プロへの道は厳しいが、この環境での訓練は、大きな糧になるに違いない。


プロ放送通訳者・翻訳者コース「日→英ニュースライターT
見学日: 5月31日(土)
授業時間: 120分 受講者数:8人
カリキュラム: 4カ月(15回)、週1日
受講料: 150,000円(15回、入学金は除く)
今回の授業の流れ: ホームワーク@(約45分):各自仕上げてきた自分の原稿を発表し意見や感想を出し合う。その後講師によるサンプル原稿をもとに質疑応答やアドバイス → ホームワークA(約45分):@と同じ流れ → ホームワーク回収 → 今週のクラスワーク(約30分):与えられた課題原稿を各自で作成 → プリントアウトして講師に提出 → 今週のホームワークの提示など → 終了
“情報源は明記する”などピンポイントのアドバイスが頻繁


現場を知り尽くしたアドバイスに、ハッとさせられる毎日です

金融関連のフリー翻訳者として仕事をしつつ、3年前の春から国際研修室に通い始め、現在、「日→英ニュースライターT」に通っています。

もともと国際情勢のニュースやドキュメンタリーが大好きで、ニュースライターを養成するこのスクールのことはそれ以前から気になっていました。でも、かなりレベルが高いので、おじけづいてしまってなかなか一歩が踏み出せなかったのです。

実際に受講してみても、要求されるものが非常に高く大変ですが、現場を知り尽くした先生方のアドバイスや経験談はすぐに役立つものばかり。提出した課題は、主に構成や展開などは授業担当の講師に、また最適な単語や表現など語法的な面はネイティブのリライターに丁寧に添削されるため、いつもハッとさせられます。ハードルが高いのですが、将来はニュースライターとして、今後の国際放送などにかかわっていければと思っています。



日本語原稿をそのまま翻訳するのではなく、外国人リスナーにとって理解しやすい英文原稿を「作成」するのがニュースライターの仕事です。興味のある方はぜひ!(太田 雅子)






School data
所在地:〒150-0047 東京都渋谷区神山町9-23
主なコース:日→英ニュースライター・日→英放送翻訳・同時通訳・放送通訳(プロ放送通訳者・翻訳者コース)
入学金:30,000円
受講料の目安:150,000円
URL:http://www.nhk-jn.co.jp/kenshu/







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