オーディエンスを意識するためにペアで行う演習も多い
|
|
田村智子講師の日英通訳クラスでは、テレビの論説番組を題材に授業が進められる。
まず、ビデオを3分間ほど見て、語られている内容をメモに取る。次にウォームアップとして、ペアを組んで英語で内容を確認し合う。それから、講師が短く区切った部分を1人ずつ順番に英訳していく。
区切るのは文単位とは限らず、文の途中のこともあるが、講師は必ず1つの英文にできるところで区切っている。受講生はどんな状況でも、焦ることなく文を組み立てることが要求される。受講生が答え終わると、良い点、悪い点を講師が指摘していく。
最後に復習として、今日やった部分のビデオを流しながら逐語訳をする。このときもペアになり、話し手、聞き手を交代しながら進める。
授業では、必ずオーディエンスがいる状態で話させるようにしていると田村氏は言う。誰も聞いていないのと、1人でも聞いているのとでは心理状況がまったく違うからだ。常に緊張した状態で通訳ができるようにという訓練が行われている。
自力で即座に英文を口から出す訓練
|
短く区切ったところで逐語翻訳を行うと、講師が改善点を細かく指摘してくれる
|
授業の進め方として、受講生が必ず守らなければならないルールが3つある。@指されたらすぐに訳し始めること -- 通訳者が3秒黙ると聞き手は違和感を感じる。授業でも、とにかく間を空けずに訳し始めなければならない。A最後まで訳し終えること -- 途中で詰まると講師に助けを求める視線を投げかけてくる受講生がいるが、これは禁止。実際の現場では助けはない。自力で完結させなければならない。B完璧でなくてもいい、メインポイントを押さえること -- 細かい点を無視しても、重要な単語を押さえれば相手に伝わる。それが第一目標。臨機応変に対応できる能力を身につけることも大事だ。