通訳・翻訳キャリアガイド


 通訳・翻訳
日米会話学院(財団法人 国際教育振興会)



通訳のノウハウで英語力を磨く

戦後復興期の1945年に、国際的な視野を持つ人材を養成する研修期間として誕生した日米会話学院。英語のプロをめざす個人受講者向けのプログラムは大きく分けて3つ。「同時通訳科」「翻訳者養成プログラム」「国際研究プログラム」だ。

「同時通訳科」は、難易度別に「入門コース」「本コース」「研究コース」に分かれている。本コースはさらに3つのレベルに細分化されており、受講者は入学試験によって自分のレベルに合ったクラスに入ることができる。本コースの入学レベルの目安はTOEIC830点以上。試験に合格しなかった場合は入門コースから力をつけていくといい。

授業は、逐次通訳演習、サイトトランスレーション、リプロダクション、同時通訳演習など、通訳のプロを育てる実践的な内容だが、受講生は必ずしも全員、通訳をめざす者ばかりではない。聴いた英語を100%理解して、分かりやすく伝える通訳の技能は、ビジネスで英語を使うすべての人に役立つと評判で、上級英語学習者がブラッシュアップのために通うケースも多い。

本コースは6カ月が1学期で、中間・期末試験と授業でのパフォーマンスによって、次学期への進級が判断される。

幅広いテーマを英語で学ぶ

「翻訳者養成プログラム」は、翻訳未経験者を対象にした「基礎クラス」と、実際に仕事を始めるために必要な実践力を養う「一般クラス」がある。一般クラスは産業翻訳と出版翻訳に分かれており、第一線で活躍する翻訳者が、プロのノウハウを伝授してくれる。

「国際研究プログラム」は、国際政治・経済、法律、社会科学などの専門分野の理論と実践を英語で学習しようというもの。3つのレベルがあり、上級レベルは欧米の大学院の水準の授業が受けられる。

通訳・翻訳とも、成績優秀者には仕事を紹介してくれるキャリア・サポート制度も充実している。



聞き手を意識して逐語訳を

オーディエンスを意識するためにペアで行う演習も多い
田村智子講師の日英通訳クラスでは、テレビの論説番組を題材に授業が進められる。

まず、ビデオを3分間ほど見て、語られている内容をメモに取る。次にウォームアップとして、ペアを組んで英語で内容を確認し合う。それから、講師が短く区切った部分を1人ずつ順番に英訳していく。

区切るのは文単位とは限らず、文の途中のこともあるが、講師は必ず1つの英文にできるところで区切っている。受講生はどんな状況でも、焦ることなく文を組み立てることが要求される。受講生が答え終わると、良い点、悪い点を講師が指摘していく。

最後に復習として、今日やった部分のビデオを流しながら逐語訳をする。このときもペアになり、話し手、聞き手を交代しながら進める。

授業では、必ずオーディエンスがいる状態で話させるようにしていると田村氏は言う。誰も聞いていないのと、1人でも聞いているのとでは心理状況がまったく違うからだ。常に緊張した状態で通訳ができるようにという訓練が行われている。

自力で即座に英文を口から出す訓練

短く区切ったところで逐語翻訳を行うと、講師が改善点を細かく指摘してくれる
授業の進め方として、受講生が必ず守らなければならないルールが3つある。@指されたらすぐに訳し始めること   --   通訳者が3秒黙ると聞き手は違和感を感じる。授業でも、とにかく間を空けずに訳し始めなければならない。A最後まで訳し終えること   --   途中で詰まると講師に助けを求める視線を投げかけてくる受講生がいるが、これは禁止。実際の現場では助けはない。自力で完結させなければならない。B完璧でなくてもいい、メインポイントを押さえること   --   細かい点を無視しても、重要な単語を押さえれば相手に伝わる。それが第一目標。臨機応変に対応できる能力を身につけることも大事だ。



同時通訳科「本コース」
見学日: 6月5日(木)
授業時間: 110分  受講者数:15人 (この日は11人)
カリキュラム: 6カ月、週2日
受講料: 200,000円(6カ月)
今回の授業の流れ: 逐語通訳ー前回の復習(15分)→ Today's Partを聞いてメモを取る(10分)→ ウォームアップー英語で要約(10分)→ 逐次通訳演習(60分)→ 今日のまとめ(15分)→ 終了
最初の3分間はビデオを見ながらひたすらメモを取る


着実に前に進んでいるという実感が、やる気を持続させてくれる

今から2年半前、勤めていた会社のプロジェクトで通訳のスキルが必要になり、会社の補助を受けて通訳学校に通うことになりました。友人が同時通訳科「本コース」に通っていたことがあり、講師陣の質が高く、授業の雰囲気も良いと聞いていたので、こちらに決めました。

実際に通い始めると、すぐにその良さを実感できました。まず複数の講師がそれぞれの教材で授業を行うので、違った視点からアドバイスをもらうことができます。非常に丁寧な授業で、「分かったつもりで、分かっていない」ことが見えてきたと同時に、自分の弱点も知ることができ、どうすれば克服できるかも分かってきました。

また、通訳の勉強を通して、総合的な英語力を上げることができたと感じていますし、一般教養や日本語運用能力の重要性も痛感しました。おかげで、1年前に希望していた翻訳・通訳専任の仕事に転職することができました。



通訳者はいわば職人。頭ではなく体で分かることが大事。冷や汗をかきながら訓練を続ければ、みんな必ず上達していきます。(田村 智子)







School data
所在地:〒160-0004 東京都新宿区四谷1-21
主なコース:同時通訳科「本コース」「入門コース」「研究コース」・翻訳者養成プログラム
入学金:なし
受講料の目安:「本コース」200,000円(6カ月)、「入門コース」昼間部 140,000円 夜間部 100,000円(3カ月)
URL:http://www.nichibei.ac.jp







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